基本帳票編:会員販売率

本章では、初級コマンドで用いた20002年のデータを用いて、下図に示すような「月別会員販売率」の帳票を作成する。


出力結果

月別会員販売率

チュートリアル初級シナリオ編

会員販売率
200201 46.7
200202 49.45
200203 48.20
200204 38.21
200205 51.66
200206 55.78
200207 54.72
200208 59.11
200209 42.69
200210 60.32
200211 48.11
200212 40.01

処理の流れ

 会員販売率とは、全顧客の売上に占める会員の売上の率のことである。会員より一見の顧客が多ければ会員販売率は下がる。一概には言えないが、優良な店は、一度会員を獲得すれば、その会員を大事にし、会員販売率が上がるかもしれない。しかし逆に、あまりにも会員率が高すぎると、ある特定の顧客にしか魅力のない店になってしまっているかもしれない。いずれにしても、会員販売率は、店の評価に使われる一つの指標として利用できる。
 会員販売率にはさまざまな数値属性を利用して求めることができる。代表的なものとしては、「購入数量」「購入金額」「粗利金額」などがある。ここでは、購入数量における会員販売率、すなわち、全顧客の購買数量合計に占める会員の購買数量合計の率を求めることにする。

回答:処理の流れ

スクリプト

以上の説明で、月別会員販売率を求めるスクリプトを書く準備が整った。以下にその回答を示すが、回答を見る前に各自でチャレンジしてもらいたい。

#!/bin/bash
#全体の月別数量合計を計算する
xtcut    -f 日付,数量 -i /mnt/h00/tutorial/dat.xt |
xtsubstr -f 日付:月 -R1_6 |
xtagg    -k 月 -f数量:全体数量合計 -c sum -o xxall

#会員の月別数量合計を計算する
xtdelnul -f 顧客 -i/mnt/h00/tutorial/dat.xt |
xtcut    -f 日付,数量 |
xtsubstr -f 日付:月 -R1_6 |
xtagg    -k 月 -f数量:会員数量合計 -c sum -o xxcust

#全体と会員の月別数量合計を結合し、会員販売率を計算する
xtjoin   -k 月 -m xxcust -f 会員数量合計 -i xxall |
xtcal    -c 'round((($会員数量合計/$全体数量合計)*100),0.01)' -a 会員販売率 |
xtcut    -f 月,会員販売率 |
xtheader -l "会員販売率" -c "チュートリアル" -o custratio.xt

rm -f xx*

実行結果を確認すると、顧客販売率が全て100であることに気づくであろう。これは、このチュートリアルで用いてる人工データ、全ての購買履歴が会員による(全ての行が顧客コードを持つ)という前提で作成されているためである。

練習課題

次のようなデータを作成しよう。スクリプト名及び結果ファイル名は表に示されたものを使おう。

帳票名 スクリプト名 結果ファイル(xt) 結果ファイル(html)
金額に基づいた会員販売率 custratio1.sh custratio1.xt custratio1.html
粗利金額に基づいた会員販売率 custratio2.sh custratio2.xt custratio2.html